先週の土曜日に録画した「Last Days 坂本龍一 最後の日々」をもう一度見た。
最後の最後まで坂本龍一のままだった。音楽家として、人生を全うしたのだとわかって改めて大好きになった。
普通、自分の死に際は、遺族ぐらいしか目にすることがないし、公開しないのだろうが、ドキュメンタリー作品として見応えのあるものに昇華していることに感銘。
息子さんが映像作家だったからここまで残していたのだろうか。アメリカ生まれということだから、現実の迫り来る肉親の死を逃げないで映像を残してくれている。
番組の冒頭から、亡くなる数日前の動画もあるなんて思わなかったから、少し驚いたが、東北ユースオーケストラの若い人達を温かく見守る人としての優しさを感じた。
最後に4人の子供達との会話で映像作家の息子さんが、「死に際して、なんか楽しみなことってある?」と他の3人とは異色の会話をしてたのが印象的だった。
きっと1番近しい関係だから聞けたことかもしれない。彼の質問に「死が特に怖いとかいうのはもうないよ。」と答えていた。
最後まで教授らしく美しい旅立ちだった。
ちょっと教授に会いたい時に、この二冊の本を読む。
そして彼の音楽を聞けば、いつでも会える。そう思ってこれから生きていこうと思う。
1番おすすめのアルバムは、2020年に出されたPlaying the Piano ↓
紙のCDジャケットがちょっと不満かな。環境に配慮したスペシャルパッケージということになっているらしい。
テレビでは、このアルバムのライブの前日にがんの再発と余命宣言を受けたとおっしゃってましたね。
初めてこのCDを聴いた時、穏やかで優しく、ずっと部屋で流しっぱなしで何時間聴いてても飽きない本当に素晴らしいライブアルバムでした。
手元にCDを持たない方でどれを聞こうか迷っているなら、これはぜひ買って欲しいCDだと断言します。
ベストアルバムじゃなくて、私は、このCDが今まで出された中で1番好きです。
8番目の曲 Perspectiveがとても好き。
若い時に弾いていた時よりも穏やかで優しい曲に仕上がっています。
大貫妙子さん、藤原帰一さんがこのアルバムに向けての寄稿文を書いてあり
特に大貫さんの書かれた文章がこのアルバムの成り立ちを物語っているようで心打たれた。
演奏家は、長いキャリアの中で、何度も同じ曲を弾くでしょう
レコーディングやステージでの演奏、それは外に向かうアプローチです。
この日の演奏は、もしかしたら彼が「自分のため」に弾いた、
初めてのもの(機会)だったかもしれません
それは今までになく、優しく穏やかで胸を打つものだったkらです
静かな祈りのように
大貫妙子
*当ブログは、プロモーションを含んでいます。