1989年、私は21歳で未来はもっと明るくなるはずと、希望に満ちていた。
ニュースでは日経平均株価が3万8915円になったと告げていた。
街には、DCブランドと呼ばれる高価で 一着で一万円以上出さないと絶対買えない服をまとう若い人で街は賑わっていた。
私の住む地方でもファッションビルが次々と建ち、ガラス張りの店の中では、化粧の厚塗りをしたハウスマヌカンと呼ばれる店員が、最新の服で颯爽と店内を歩いていた。
高価すぎて手にとれない私の横で、7万円のワンピースを試着した若い女性に、マヌカンが優しい声をかける。
「さっきも一着お色違いで売れちゃったんですよ〜」
購入すると話が決まって、綺麗に畳まれた服がDCブランドのロゴ入りのショップバックに入れられた。
店の出口までお送りしますというマヌカンと一緒に、はにかんだ笑顔で歩いて行った。
高くても売れるし、高価なものは、それだけの価値があると信じられた時代。
このキラキラした世界が、もうすぐガラガラと音を立てて崩れていくとは、これっぽっちも思わなかった。
のっけからバブルの思い出を語ってしまった。
要するに何が言いたいのかというと、
「一寸先は闇」
だから、もし金融やお金の事を学ぼうと思うなら、先の事は、誰にも分からなし、自分の頭で考えて試行錯誤していくしかない。
今更遅い!?
50代からインデックス投資は遅いのだろうか?
50代は、若い世代よりも運用期間を長く取れないため、リスクを抑えて運用することが進められている。
退職した人が周りに沢山出てくるので、どんなふうに家計をやりくりしているのか知りたいのだが、個人的に知り合いだと、面と向かってお金の事を直接聞くのは憚るので、どうしても具体例は、ネットで調べてしまう。
意外とみんな、iDeCoもNISAも、聞いたことがあるがやっていないようだ。
50代の半ばくらいは、子供の教育費がピークにかかる時期なので、投資にかまけていられないといったところなんだと思う。
私自身は20代で出産と子育てがスタートしたので50代に入る前に子供達が社会人になったので、少しだけ早めに老後の資産形成に舵を切ることが出来たので、恵まれているなと思う。
しかし、具体的な情報が、あるようでないのが現状で、Youtubeでインデックス投資について動画をみるが、ほとんどが30代40代に向けて発信しているような感じで、「50代からは、投資経験がある人は、やってみた方がいいが、それ以外だと辞めとけ」なんて声もちらほら。
遅くないし、むしろやるべき
50代が投資に対して臆病なのは、バブルという日本の一番いい時代に夢を見て、不動産や株で大損をしてきた人々を間近で見てきたせいだと思うのだ。
バブルだけじゃなく、2000年代は、リーマンショックもあった。私の父も、リーマンの前に日本株をかなり保有していて、リーマンショックで資産がみるみる減っていくのを見て地獄を見ている。
「投資をしない日本人」とメディアが囃すが、無理もない。あれだけの酷いことがあったし。
でも、投資の事やお金の事を学ばなくてもなんとかなった時代はもう過去の話。
今は、お金の事を知らない人間からは、「がっつり奪ってよし!!」と国からお達しが出てる?と言うレベルで増税や社会保険料の増加、銀行など金融機関の手数料の値上げ、人件費の高騰からの様々なモノの値上げと生活するだけでやっとだ。
同時に円安で、日本円の価値はダダ下がりだ。コロナ前から、外国人が日本観光に押し寄せていたが、あれは、日本という国が安全で綺麗で素晴らしいからじゃなく、「安い」から。
メガバンクで貯金だけしてればなんとかなる。老後も細々と貯金したお金を下ろしながら細々と暮らせばなんとかなると思っていた。
しかし日本円という現金しか持ってないということは、日本という国がこの先滅びの道へ突き進んだ場合、一緒に地獄に行くことになる。
私は、絶対に嫌だ。
最悪のシナリオを考えていた方が、死なないで済む。
明るい未来が現れていたら、私の考えすぎだったのねと言って、バンザイだ。
が、世間を見たら、現状はそんなに良くなっているように見えない。
気づいたら近くのお店潰れていないですか?
「そういえば、お客もそこそこいたのに、閉店しっちゃってるな。」
「ここにコンビニあったけど、いつの間に無くなってる。」
テレビを見てたら、いつもの日常が流れていて気づきにくいけど、私の周りは、こういうのがコロナ前からずっと続いていて、コロナ明けからは、その閉店ラッシュがスパークしているように感じている。
むしろコロナの時より悪化していると思う。
日経平均がバブル以来の最高値だといっても、今は、1989年のバブルの時とは何もかも違っている。
株価が上がることで、景気が上がれば良いのだけれど、それとこれとは、別なんだと思った方がいい。
景気はどう転ぶか分からないが、堅実に貯蓄に励むしか、今は道がないように思う。
そして、ある程度、生活防衛資金があるなら、少額からインデックス投資を始めるべきだと思う。
インデックス投資が教えてくれる事
インデックス投資を始めると、見えてくる世界がある。
それが複利だ。複利の世界。
私は、これまでマイナスの複利の世界に住んでいたことに気づく。
要するに、ローンだ。自動車ローン、住宅ローンと取られるだけの複利だ。
インデックス投資を始めるまでは、頭の中に「金利」という概念がないため、何かを売る人間からしたら最高の鴨だったんじゃないだろうか。
1%の金利と聞いて、な〜んだ大した事ないやんとずっと生きていた。金利の恐ろしさに気づいていなかったから。
車を買う時、「車のローン2%ですね〜」と言われても、借りれるのならあざ〜すっと借りていたおバカである。
もしも、今なら、「たかっ!!!」と考え直すが。
住宅ローンを組む時に、変動金利を組もうとした私たちに銀行の人間が、「変動金利のおそろそさ」をこれでもかというほど聞かせてくれた。
「本当に、変動金利でいいんですか?何かあった時心配になりませんか?ファイナルアンサ〜?」(ファイナルアンサ〜は言ってないか笑)
住宅ローンを組んだときはインデックス投資を始めていなかったが、不動産について、数年ほど勉強していたため銀行の人間が固定金利をどうして、ここまで進めるのかわかっていたため、断ることが出来たのだ。
固定金利を組まない私たちを心から心配してくれたの?
これっぽっちも心配してないから!
銀行の人は、固定金利という金利がたっぷり乗ったやつを勧めたかっただけ。
私たちのことなんかこれぽっちも心配してくれたりなんかしてない。返済してもらったら後は野となれ山となれ。願わくば沢山金利を払って銀行の儲けを増やして欲しいだけ。
夫が動揺して、何か言おうとしてたので、すかさず、私は、こう言った。
「変動金利で金利が相当上がった場合は、繰上げ返済を計画的にするつもりです。とりあえず住宅控除が終わるまでは、変動金利で組んでおきたいと思ってます。」
すると、銀行の人は、やれやれといった顔をして
「金利上昇のスピードが早かったりしたら毎月の返済が間に合わない金利が発生します。これを未払利息と言うんですが。その場合大丈夫、ですか?」
私は、そう聞かれてもいいように、未払い利息の大まかな金額だけは、ある程度計算してメモっていたので、そのことを話した。
「未払い金利が発生した場合の事も考えて、部分繰り上げしていくつもりです。」
まだ、なんか言いたげな銀行の人の雰囲気だったが、「固定金利の脅し」が効かなそうだと判断されて、これ以上は、何も言われなかった。
もし、この時、2018年当時、銀行の人に言われるがままに固定金利を払っていたら、1%ぐらいは軽く上乗せされていたかもしれない。
軽く1%の上乗せが、どのくらい違うのかというと、ざっと計算してみたら、月の支払いが2万円アップで、繰上げ返済しない場合の住宅ローン金利は、
我が家の場合、600万ほど違ってくる(29年間)
そして10年後の残高が、120万ほど増える。
600万あれば国産車で新車が買える。
こんな数分の会話で決断していい話じゃないって思いませんか?
金利のことをわかっていない人間は、金融のプロからみたらカモなんだと。当時は震えたわ。
だから50代がインデックス投資やらないといけない訳
50代が今からでも投資を始めなければいけない訳。
銀行のカモにならないため
お金が増えていくのは、もちろん私も嬉しい。でも50代の人にインデックス投資を勧める一番の理由は、銀行のカモにならないで欲しいから。
ちゃんとした優良なインデックス投資とは、実はほんの少ししかない。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・VTI)
Youtubeのインデックス投資の動画を見たら分かるが、大体これをみんな勧めているし。手数料も安く、安心して長期で運用できる。
そして、これらの証券口座を楽天証券かSBI証券で始める。銀行には、決して近づいてはならない。
50代の人間が、リアル店舗に証券口座を開きに行くということは、
「私、美味しいカモですから食べてください。」といっているようなもんだから。
始めながら、金利というものを実践的に学ぶ。
自分のリスクを考えて低額から始める。
それでも怖かったら、現金は使わずポイント投資でポイントなんかを使ってやってみてもいいと思う。最悪無くなっても、本来なら無いお金だし。
すると、なんでもそうだが、自分のお金を投じていると思うと、真剣に学ぼうと思う。
金利の上がり下がりで、投資額がどれだけ減ったり増えたりするかが肌に感じられる。
たった1%の金利の破壊力がどれだけが、わかる。
増える金利の世界から、世の中が見えると、わかることがある。
私の現在の投資金額なんて世の中のお金持ちの人からしたら鼻くそレベルなのは、百も承知の上で言わせてもらえば、
私たちが学生の時に金利の勉強なんか全く習わなかったせいで、50代の普通の真面目な人間は、今まで本当に銀行の食い物にされてきたんだなというのが、マジでわかってくる。
50代に差し掛かると、定年が見えてくる。だからそれまでに投資経験を積む事。
退職金が入ってくるまでに、投資経験を積むのがどうして必要かというのは、退職金が銀行口座に振り込まれた途端、銀行員から、投資話を絶対に薦められるから。
彼らは、さっきの優良な投資信託は、絶対にすすめてこない。旨みがないから。
手数料が少ない優良な投資信託はすすめないで手数料がたっぷり乗った、投資信託をすすめてくる。
そして、金利の概念のない人間を易々とはめていこうとする。
金利のことなんか、全くわからない人間を数分の優しい語りかけでハめる。(←実話)
そして信託手数料、売買手数料、運用手数料と肝心な部分は、小さな文字で書いてあるし、聞かれもしない限り、詳しく話そうとしないだろう。
数%の手数料も金額に直すと、数十万円、数百万円と、とんでもない数字になってくる。
だから、50代は、インデックス投資をすることを国民の義務にしてほしいほど。
騙されないためには、50代から投資経験を積むのだ。
50代の真面目で善良な人間が、幸せな人生を送れるように、ここから、エールを送っていきたいと思っている。
今日も最後までブログを読んでいただきありがとうございます。
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